こんにちは。
院長の増田です。
今日は妊婦さんの治療症例についてご紹介します。
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妊娠28週 30代女性
朝から車で1時間程度の距離へ外出し、夕方帰宅した時には
脚全体がむくみ、とくに足首まわりはゾウの足のようになってしまった、というケースです。
検査をすると、むくみは脚だけではなく骨盤まで及んでいました。
両腕も少しむくみ、動くのも大変そうな状態です。
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妊娠中、とくに中期から後期にかけては、通常時より15%程度、循環血液量が増える上に
ホルモンの影響で体内に水分をため込みやすく、お腹が大きくなるために下大静脈が圧迫される
など様々な要因があり、脚がむくみやすくなります。
むくみを解消しようと、ふくらはぎをマッサージしたり、歩いたり、着圧ソックスを履いたり
色々と試してみる妊婦さんも多いと思います。
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今回の妊婦さんは、普段から食生活も気をつけていて、毎日の散歩や、呼吸法、マタニティヨガの
レッスンに定期的に通うなど対策を行っていました。
体を調べていくと、
1)右股関節の筋膜の緊張と関連する、血管と神経の緊張
2)肋骨と横隔膜の緊張
の2点がありました。
お腹が大きくなった状態で、座る時間が長くなると、股関節や骨盤まわりが圧迫されます。
あわせて、肋骨と横隔膜の緊張が起こったため、その間を通る血管(下大静脈)が圧迫されて
静脈の流れ(心臓に戻る血液の循環)が悪くなり、むくみとなったのでした。
さて、股関節と骨盤周りの圧迫は、長時間のドライブによる圧迫が原因でしたが
肋骨と横隔膜の緊張は、なぜ起きたのでしょうか?
原因は、サイズの合わない下着でした。
妊娠すると、お腹が大きくなるのと同時に、バストのサイズも変わります。
その時に、サイズの合わなくなったブラジャーをし続けていると、肋骨をしめつけ、
呼吸が浅くなり、血液循環に影響がでてきます。
治療としては、股関節まわりと、リンパの流れをサポートし、肋骨下部の緊張部分を
治療すると、むくみは解消されました。
呼吸も深まり、リラックスできるようになりました。
また、食事の面では、外食した際の「麺」と「化学塩=加工食品に含まれている」が
影響していたと考えられました。
そのため、解毒を促す食事をして(→今回は、大根おろしと生姜を毎食摂取)
脚を上げる運動をしてから寝たところ、翌朝にはきれいにむくみはとれていました。
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妊娠中は特に、ちょっとしたことがストレスになったり、体の負担になったりします。
サイズの合わない服や下着、寝るときの枕や布団、慣れない履物や移動etc
特に、直接肌に触れるものや、日常で使い続ける身の回りの物を、快適な状態に整えていくと
負担を軽減することができます。
妊娠中に自分でできるむくみ対策としては、
<運動>
・ウォーキング:ゆっくりで良いので、脚の内側がストレッチする感じを意識して歩く
・階段昇降:無理せず、自分のペースで
・簡単なストレッチ
・マタニティヨガ:呼吸を意識することがとても大切です
<食事>
・精製された小麦や粉物を控える(パン、麺、パスタ、粉物など)
・加工食品を控える(塩分と添加物がむくみの原因になります)
・大根おろし、切り干し大根を食べる
・生姜(できれば加熱したもの)を食べる
<生活>
・マッサージ:とくに太ももや、膝上をマッサージすると良いです。
・寝る前に脚を上げておく:無理のない範囲で
・服や下着のサイズを合ったものにする
・長時間同じ姿勢にならないように気をつける
・無理をしない:ストレスや疲労、緊張状態を避ける
・体の末梢を冷やさない
・お風呂につかる:10分程度でOK
などがあります。
運動の程度や、活動の度合いについては、妊娠中に何かトラブルや指摘事項がある場合
主治医の先生の指示に従ってください。
慢性的に不調が続いていて、改善が難しい場合は、エクササイズや食生活のアドバイスと合わせて
妊娠中の繊細な体に対しても施術ができるセラピストに相談するのも良いでしょう。
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当院では、検査と問診で原因を特定し、体のバランスを整える治療、
食生活のアドバイスと、自宅でも出来るエクササイズの指導、生活のアドバイス、
その他 心理面の不安解消などを総合的に行っております。
妊婦さんの治療では、ご主人やお子様も一緒にみえる方も多く、
ご家族でできるケアの方法などもお伝えしています。
どうぞお気軽にご相談ください。
ご質問、お問い合わせ、ご予約はこちらからどうぞ。
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最後に・・・
気づいた方もいるかもしれませんが、今回の30代妊婦さんは、僕の妻でした。
これまでも、過去に妊婦さんの治療に携わることは度々ありましたが、
毎日の食生活やエクササイズを気をつけて、一緒に取り組んでいても
体のメンテナンスが大切なんだなぁということを感じています。
それくらい、妊娠中は繊細に体は反応し、変化し、ちょっとした負担が
体にも負担になるんだと実感しています。
最近、妊活のご相談や妊婦さんの治療でみえる方が増えているので、僕自身
父親の立場として成長しながら、お役にたてれば、と思っています。